第一章「30歳を過ぎて、心に刻まれていたある想いが再燃する。」
■■
■■ 「いつか自分の店を持ちたい」という夢
■■
「俺の人生、このまま終わっていいんだろうか・・・」
30歳を過ぎ、
飯田はそんな想いを抱くようになった。
現状に不満があるわけではない。
仕事を持ち、結婚して、子宝にも恵まれた。
むしろ、順風満帆とも言える。
しかし、
心の奥で何か沸々とした感情が湧いてくるのを感じていた。
その感情の火付け役となっているのは、
10代の頃に抱いたある想いだ。
“ヤンチャ”が飯田の代名詞だった頃、
顔なじみのたこ焼き屋の店主に「時間があるなら働け!」と誘いを受けた。
そして、露天の仕事に夢中になるにつれ、
「いつか自分の店を持ちたい」という
漠然とした夢を抱くようになっていたのだった。
■■
■■ 飯田の人生を変える大きな転機とは
■■
それからはや20年――。
子育ても一段落し、
日々の暮らしに落ち着きを感じ始めていた。
そのふとした時間の余裕が、
心に刻まれていた想いを再燃させたのである。
そして、飯田は立ち上がった。
それまで、文字がビッシリ詰まった本など
手にしたこともなかったが、
有名投資家の自叙伝に触れ、
様々なビジネス誌などを読み漁り、
世の中に潜めく仕組みや
お金の流れについて勉強を始めた。
日々の仕事のちょっとした時間も読書に充て、
休みの日にはセミナーに参加し、
スケジュールを埋めるようになった。
そんな習慣を続けること数年。
飯田はとあるセミナーにて、
週末飲食オーナー倶楽部の副代表である島居と出会う。
そして、この出会いこそが、
飯田の人生を変える大きな転機となった――。
(つづく)